・これは、言いわけの言いわけによる言いわけである・

 ヨーク考えてみるとソイツはイイ男なのだ。

 まず必死になって人々を喜ばせようとする常に新しいギャグを(見かたによっては人はそれをダジャレと云う)考えている。タダの仕事でも気に入ったら喜んでやる。逆に不当にいばるバカ、人の気持をふみにじる外道ーいるんだよなー(ソイツはそれが一番きらいだ)の仕事はそれがたとえ巨匠の大作映画であろうが、宮崎あおい様共演のTVドラマであろうが、どんなに高いギャラであろうが絶対にやらない。

 一日に六十本のハイライトを吸ってJTを助け、一日にフォアローゼスを一本あけ、今ピンチの小売酒屋を助ける。そしてまたあるときは、我が子心配で上京してきた日本冒険小説協会若者の御両親を酒と口八丁で説得し、その若者をカンドーから救い出す。

 一日に一・五冊は必ず面白本を読み、著者と出版社と本屋サンを助け、一日に一・五食しか食べずに自分のフトコロを助ける。

 だらしないほどに女性(ただし心意気のイイ女)に惚れっぽく、そしてその想いの実らないドジなソイツ。どうしようもないほど人間が好きで弱い奴をムキになって助ける馬鹿なソイツ。ハードボイルド・ミステリーと冒険小説と海と酒の好きなソイツ。ま、ヤセこけてアゴはしゃくれてはいるがソイツはケッコーいい男だと思うのだ……なんて自分で書いてれば、やっぱりただのアホ。ハードボイルドでは無くただのセンチなルナマイルドとは陳メのことだ。セロニアス(モンク)でもムンクでもある方は叫ぶなり、日本冒険小説協会に入るなり、「深夜プラス1」(ゴールデンガイ)にて目のスワった・神(チン)・を見学に来るなどして酒の相手をするが良いわい!などとウスラみっともない駄文でいなおっているのだが……。

 ナニ、本心はまだ見ぬ愛おしき同士に逢いたい見たい知りたいのジョン・フランケン・アルツハイマーとオユルシいただき陳メ平伏。