『世界が生まれた朝に』
 エマニュエル・ドンガラ著 小学館、1996年

 「<力>と、<力>に敬意を捧げるタムタムをひっくり返す者」と運命づけられ、大河に、氏族の王に、植民地支配の異人に、そして、自分の社会そのものに挑んでいった永遠の革命児マンダラ・マンクンク。
 コンゴのとあるバナナ畑で孤独な生を受け、長じては偉大な”ンガンガ”となった男が、半世紀に及ぶ試練の旅を乗り越えて、最後に見たものは…。
 <知>と<力>と巡る現代アフリカの創世神話。
 訳者から一言
 主観的にはアフリカ文学の最高峰、客観的に見ても五指には入る名作である。
 原書のフランス語のほか、英語、ドイツ語、スペイン語、デンマーク語、ノルウェー語など世界中で翻訳されている。、
 最初の1ページだけ堅くて読みにくいが、2ページ目からはすごく平易な文章になる。 立読みですぐ断念なさらぬよう。
 メリハリの利いたストーリーと詩情に満ち満ちた文体が感動的で、読み出すと止まらない。
 もちろん、訳文も冴えている!?
 書評など
1988年ブラックアフリカ文学大賞を受賞。